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思索の森と空の群青

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2008年 11月 13日

「死ぬまでに絶対読みたい本」はなかなかわからない

昨日、18時頃『文藝春秋』12月号を買いに書籍部に行った。

『文藝春秋』を買ったのは、そこで「21世紀図書館 ―必読の教養書200冊―」で立花隆(しずくのお父さん)と佐藤優が対談していたのと、「死ぬまでに絶対読みたい本 ―読書家52人生涯の一冊―」が特集されていたから。

『文藝春秋』と一緒に、

・ホルクハイマー、アドルノ『啓蒙の弁証法 ―哲学的断想―』(徳永恂訳)、岩波書店(岩波文庫)、2007年。
・ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った(上)』(氷上英廣訳)、岩波書店(岩波文庫)、1967年。
・ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った(下)』(氷上英廣訳)、岩波書店(岩波文庫)、1970年。


も買った。『啓蒙の弁証法』はフランクフルト学派のこと(とハーバマス)を知るため、そして「啓蒙」の意義と限界を学ぶため。「啓蒙」と「教育」は切り離せない。

ガクシンがダメで、「ああ、もっと勉強しなければ」という思いが増している。

アパートに帰って『文藝春秋』を読んでいたら、ニーチェの『ツァラトゥストラ』(これは中公文庫版)は「誰でもこれくらいは手に取るべき」と立花隆が書いていた。

……。

勉強しよう。ほかにも読みたくなった本があったしね。


73(123)  原尻淳一『READING HACKS! 読書ハック! ―超アウトプット生産のための『読む』技術と習慣―』東洋経済新報社、2008年。
(読了日:2008年11月6日)

「本書で言う『ハック』というのは、何かの対象にのめりこむ『きっかけのマネジメント』と『仕事を効率的にさばく技術』が共存しながら、閉塞したビジネス環境にスマートさとポップさを注入する方法と言えるかもしれません」(p. 2、強調原文)。

「そもそもわたしたちはこの『読む』という行為に関して、何ら定型を持っていないのです。義務教育から高等教育にいたるまで、読書方法をしっかりと教えてくれる講義はありませんでしたし、読書というインプットからアウトプットにつなげる技術を一貫して教えてくれる人も教育体系もないのです。日本の教育システムは肝心な知的生産の技術をないがしろにしているように思えます」(p. 6)。

「READING HACKS! 22 書評は『書評・ブックレビュー検索エンジン』で徹底的に調べる」(pp. 67-68)。

「つまり、わかるということは、知ることで得た知識を自分流に変換でき、その結果、態度変容にまで行き着くことなんですね」(p. 150)。

「この時ちょっとしたコツですが、オモシロイ箇所に傍線を引いた後、その理由を本の余白に書いておくようにしておくことです。Reason/Whyが整理されていると、後で見直した時、本を読んだ頃の課題や背景がはっきり見えてきます」(pp. 195-196)。


74(124) 谷川浩司『集中力』角川書店(角川oneテーマ21)、2000年。
(読了日:2008年11月10日)

「何事に対しても『できる』という方向で考えないと物事は進まないのである。『できる』とい方向から攻めると、思わぬアイデアが生まれるものだ。また、これは『自分がやるのだ』というやる気を持てば、ぎりぎりの線までがんばれ、そこから不可能に思える目標も可能に見えてくる」(p. 96)。

「焦らない、あきらめない――両方ともに、簡単に結論を出さないことがポイントである。特に不調の時は要注意だ。〔……〕焦らない、あきらめないというのは、勝負事だけでなく、人生や仕事でも目標を達成する時の大切な心構えといえよう。〔……〕目標を持ったらそれに挑戦し続けることだ。〔……〕目標を決めたら、焦らず、あきらめずに、最後までやり抜く気力を持ち続けることである」(p. 159)。

「〔……〕受験、就職試験、そして職場での昇進など、さまざまな戦いが待っていて、誰かが勝者になれば、誰かが敗者になる。もっとプライベートな、恋愛といったことにも結果は出るのである」(p. 167、強調引用者)。

何事にも結果は出るのだ。結果が出ないことはない。結果をおそれすぎてはいけない。結果を受け止める、そこからだ。

「若いうちは、将棋に勝つことがすべてで、『将棋だけやっていればいい。あとは関係ない』というのでもすむかもしれないが、それだけでやってきた人は、仮に将棋界を支えていく立場になったら困ることになると思う。
 なぜなら棋士というのは、世の中で絶対に必要という職業ではないのだ。たとえば、戦争が起こったり、大震災が起こった時には、困っている人を直接助けることはできない。阪神・淡路大震災を経験して、私自身、自分が役に立たない、無用な人間であることを思い知らされたのである。将棋を指すことで、間接的に人々に勇気を与えたり、楽しんでもらうことはできても、同じ場所にいて被災した人々には直接何もできなかったのだ。社会に対して、人間に対して、棋士は謙虚な姿勢を持ち、育んでいくことで勝負に対する考え方、思いも変わり、責任を自覚することから勝負への気力も充実してくるのである」(pp. 176-177)。


それにしても、「死ぬまでに絶対読みたい本」って何であろう?


@研究室

by no828 | 2008-11-13 23:42 | 人+本=体


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