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思索の森と空の群青

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2008年 12月 15日

Gracias

晴れ


朝から某 JICA のお手伝い。今日で最終日。

お手伝いの中身は、中南米から教員養成について学ぶために来られた研修生(とはいえ副学長・学部長クラスの方々)5人が受けた講義その他の記録を取ること。受講の様子にビデオを回したり、報告書を書いたり。

研修生の方々は、およそ1ヶ月のあいだ、大学教員による講義を受けたり、小学校や教育委員会や教育関係の出版社を訪問したり、ということをされてきた。

今日はその研修の成果を報告するということで、母国に戻られたあとどのような Acition Plan を立て、実行するか、というご発表をそれぞれの方が行なった。

最後の方の質疑のさい、某専攻長から「朝から参加してくれてる大学院生からも質問を」と言われる。想定の範囲外であると言わなければならない。

が、朝から報告を聞いていると、どうも「日本の善いところをわたしたちも真似します」という論調一辺倒でそれには違和を覚えていたので、このような質問をする。

「逆に日本の教育の問題点はどこだと思いますか?」

「それ、言いにくいんですけど」という雰囲気が広がり、苦笑いかもしれない笑いが起きる。

そこで急いで、「おっしゃりにくいということであれば、ビデオ止めますが」と付け加えたら、みなさん笑ってくださった。そして、それぞれにご発言してくださった。

たしかに「これは真似たい」ということも多々おありだと思うけれど、本当にそれだけであろうか、ということなのである。逆に「これは真似たくない」という諸側面もあるのではないか。

また、日本側としても、「わたしたちから学んでください」だけでよろしいか。相手からも学ぼうという態度が必要なのではないか。一方通行はもったいない。

それに、教育においては「進んでいる/進んでいない」というのはなかなか言いにくいと思う。もちろん、近代公教育の原則という観点で、とか、就学率においては、とか、限定を付せば進み具合を判定することも可能である。しかし、そういった観点を採ること自体が適切かとも問うことはできる。

発表と質疑がすべて終わってから、マルコスさんが「一緒に写真を撮ろう」と近付いてきてくれた。一緒に写った。「Gracias, Arigato」と何度もおっしゃった。

短いあいだのお付き合いであったけれど、これでもう会うこともないのかなと思うと、ちょっと寂しい。

こちらこそ、Gracias 。


@研究室

by no828 | 2008-12-15 17:03 | 日日


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