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思索の森と空の群青

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2009年 01月 21日

有楽町線と池袋のおばあさん

 昨日は午前中から上京、まずは九段下の某務局に行き、某証明書を取得する。某証明書の窓口はたいへんな混雑であったが、申請から10分ほどで受け取ることができた。

 やっほー。

 これは待たねばならねえな、と覚悟していたのでうれしい。

 そのあと九段下から何とか線で――忘れた――飯田橋に行って有楽町線に乗り換え、そこから池袋を目指す、つもりであった。

 飯田橋からは10分程度で池袋に着くはずが、着かない。本から目を上げて電車のドアのところにある表示を見ると、「次は有楽町」とある。

 あれれ。

 これはいわゆる乗り間違えですね。

 というわけで、有楽町で降りて反対のホームで乗り換えて戻ることにする。

 なぜ乗り間違えたのかを考えるが、答えは出ない。まったくわからない。

 飯田橋で乗り間違えたときのわたしは果たしてわたしであったのか、あのときのわたしといまのわたしが同一人物であるとどうして判断できるのか、という無駄な抵抗を試みるも、ただ空しいだけである。

 予定より遅れて池袋着。遅れたせいで――わたしのせいだ――お昼を食べる時間がない。そのまま立教大学に行き、BRAC (Bangladesh Rural Advancement Committee、邦訳だと「バングラデシュ農村向上委員会」か)総裁の名誉博士号の授与式に出て、その総裁の講演を聴く。

 キリスト教系の大学ということで、授与式でも聖歌を歌ったりする。よくわからないので歌わない。一応キリスト教系の幼稚園出身のわたしであるが、食事の前に主に祈って最後に「アーメン」と言っていたことぐらいしか覚えていない。

 宗教とは何か、というより、わたしにとって宗教とは何か。その答えはまだ出ていない。

 聖歌を歌わない代わりに、総裁は――おそらくムスリムであろうという想定のもとで――キリスト教方式で祝われてうれしいのであろうか、と考える。より一般的な言い方をすれば、異なる宗教の人から、その異なる宗教的儀式に則って祝福されてうれしいか、である。

 うれしくない、ということはないか。と、自分に置き換えてみたりする。

 講演は、BRACのウェブサイトを見れば書いてあるようなことが話されていたように思われる。ただ、そこで強調されていたのは、貧困層が市場にアクセスできないことの問題性と、アクセスできることの重要性である。マイクロファイナンス――この分野では同じバングラデシュのグラミン銀行が有名だが――や公衆衛生や教育も、各個人――とくに女性――が「起業家精神」を持って市場に入るために行なわれる、講演からはそのような印象を受けた。

 講演のあと、若干の質疑応答の時間が取られたが、すべての質問が事前に準備されたと思われる立教大学の学生によってなされた。準備しておくのは必要であろうが、質問はまずは一般聴衆から募るべきではないか、そこで手が挙がらないときにはじめて準備された質問を行なうべきではないか、と思った。

 全体的にすべて立教大学の枠内で進められたような印象を受けて、どこかおもしろくない。立教大学の行事なのだから、と言われればそれまでだが、一般応募をかけたのだからもうすこし開かれた方法もあったのではないか、と思うわけである。

 そういえば、立教大学は――去年か一昨年かはっきりしなかったが――グラミン銀行のムハマド・ユヌス氏にも名誉博士号を授与したらしい。

 なぜ立教大学がバングラデシュのふたりの人物に名誉博士号を与えることになったのか。誰が中心になって動いたのか。

 わたしはそこにも興味がある。

 講演は10分延びて15時40分に終了。

 わたしは耳栓を求めて某急ハンズに行く。池袋のそれは渋谷店よりも小さかったが、無事に耳栓を耳に手に入れる。

 そのあとでようやくご飯を食べる。お腹が空いているのか空いていないのかよくわからなくなっていたが、食べたほうがよいと思ってお店に入る。

 わたしが食べていると、わたしよりあとから入ってきたお客さん(おばあさん)と店員さんが注文でもめている。

「あのね、これ、抜いてくれる?わたしはね、抜くんだから安くしてくれなんて言ってないよ。ただね、抜いてほしいんだよ、これ、好きじゃないから。だから安くしてくれなんて言ってないじゃないか」

 店員さんは何も言っていないのに、一方的にこう話すおばあさんがすこし悲しい。なぜであろう。

 結局おばあさんは注文を取りやめてお店を出て行った。

 わたしはジュンク堂書店へ。一通り見てまわるが、惹かれる本に出会わなかったので何も買わずにお店を出て駅に向かい、そのまま帰路につく。

 最寄駅からアパートまで歩く途中、輸入ビールを置くお店にふらりと入ってしまう。このときお店に入ったのはわたしではなかった可能性もあるが、わたしの部屋にはオーストラリアのビール瓶がある。ちなみに、中身は空である。


@大学中央図書館(明日は発表が2つもあるので篭もって準備中)

by no828 | 2009-01-21 19:15 | 日日


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