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思索の森と空の群青

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2009年 12月 24日

クリスマスは夜にはじまる

 昨日は午前中から普通に研究室に来ていたのだが、12時から16時まで研究会、某白木屋に移動して18時から22時まで打ち上げ、ということで、ブログを書いている細切れの時間さえなかった。

 22時に終わった某白木屋の打ち上げは、たのしくはあり、チェーン店ということで値段も嬉しかったのだが、(それゆえに?)料理の質と店員の対応の2点においてサーヴィスがよろしくなかったので減点。“また行こう”とは残念ながら思わない。

 ところで、今日は“クリスマス・イヴ”である。

 この“イヴ”とは何か。最近まで“前日”の意味かと思っていた。そういう英単語があるのかどうかという確認をしたことはなかったが、“まあ、そういう意味であろう”と思っていた。“大晦日”も“New Year's Eve”と表現される(“あなたは大晦日をどこで過ごすの?”なんて歌詞の歌が「アリーmyラブ」の中で流れていた)。

 しかし、である。Eveは“前日”という意味ではない。

 であれば、どういう意味か。

 ……

 “アダムとイヴ”のイヴ、

 ではない。このイヴは本来はラテン語でEvaであり、エヴァという表記が正しい。

 ……

 だだん、正解発表。

 イヴ(eve)はイヴニング (evening)のイヴ。

 浅野典夫によれば、ユダヤ教における1日のはじまりは日の入り、つまり日没である。非ユダヤ教徒にはなじみのない観念である。なぜならば、“1日は日の出とともにはじまる”とわれわれは観念しているからである。たとえば日本における“ご来光”はまさにそうした観念の象徴であろう。
 しかし、ユダヤ教においてはそうではない。日没で前の日から次の日に変わる。つまり、夜が1日のはじまりなのである。そのユダヤ教の考えがキリスト教にも受け継がれた。それゆえ、暦上25日のクリスマスは、暦上その前日である24日の夜にはじまることになり、だから“クリスマス・イヴ”とはクリスマス当日の夜を意味することになる。そう、クリスマスは夜にはじまるのである。

[文献]
浅野典夫『ものがたり宗教史』ちくまプリマー新書、筑摩書房、2009年、61-2頁。

 思想史を読むときには宗教の知識は欠かせないかもしれないと思いはじめ、まずは入門書から、ということでこの本を読みはじめた。が、まだ読み終わっていない。この時節にぴったりの知識が部分的に掲載されていたので、とりあえずそこだけ披瀝しておくのである。
 なお、ユダヤ教がなぜ夜を1日のはじまりとしたのかはわからない。もしかしたら書いてあるかもしれない。


 というわけで、今年のクリスマスは今日の夜からはじまるんですよ。


@研究室

by no828 | 2009-12-24 13:41 | 日日


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