18(488)大森望・豊﨑由美『文学賞メッタ斬り!』PARCO出版、2004年。
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● やや検索しにくいです。
諸文学賞の、というより、諸文学賞の選考委員に関する批判的な解説です。いわば“評価する人を評価する”という営みです。“この賞を取るべき人が取っていない”ということが結構生じていることがわかり、だとすると“評価者を評価する”という水準も確保しておかないといけないのかなと、こういう行為も必要なのだなと、そう感じました。(学問の場合はどうでしょうか。学術雑誌の編集委員を評価する人も必要だ、ということになるでしょうか。)ただ、このメタ評価は、“評価する人を評価する人を評価する人を……”という無限後退に陥ります。評価の妥当性の問い方、評価の妥当性の確保の仕方、これはどうするのがよいのでしょうか。
引用はありませんが、某賞選考委員の宮○輝への批判的な言及が多かったのと、谷崎潤一郎賞は比較的信頼してよいのだという印象を持ちました。
個人的にはブック・ガイドとして読んだ側面が大きかったです。
参考
豊﨑由美『ニッポンの書評』(→
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仲俣暁生・大野純一『〈ことば〉の仕事』における豊﨑へのインタヴュー(→
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