人気ブログランキング | 話題のタグを見る

思索の森と空の群青

onmymind.exblog.jp
ブログトップ
2009年 08月 22日

自分の人生や他人の成功を呪うような人生を送ってほしくないのです—— 池田千恵

 方法論。

 41(174) 池田千恵『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!』マガジンハウス、2009年。

 非常に共感。ただ、「時間」って人間にとって一体何なんだ、とも思う。もちろん、制度化された時間の中でわれわれは生きざるをえないのであり、だから時間をうまく使いこなすことが必要だということはわかる。が、この本で重要なことは、時間、ということよりもむしろ、自分に自信を付ける、ということで、そのための方法が著者の場合は早起きであったということだと感じた。そして、時間を方法として採用したところがポイントなのだと思う。というのも、繰り返すがわれわれは時間の中で生きていかざるをえず、だからこそわれわれから引きはがすことのできないその時間を自信を付けるためにうまく方法化することが大切だと思うからである。

「世は不景気の真っただ中。あと何年もつらい状況が続くともいわれています。いろいろな欲望を我慢しなければならない、といった雰囲気になっています。
 でも、我慢のあげくに『こんなに我慢しているのに……なぜ?』と、自分の人生や他人の成功を呪うような人生を送ってほしくないのです」(p. 11)。


 第2パラグラフに共感。だからこそ欲張って頑張って生きてゆこうよ、と著者は言う。


「ところで、なぜ私は『朝4時起き』を自分に課したのでしょうか。その経緯は、『IQ』に関するトラウマを抜きには語れません。
 それは中学2年のある日、担任教師がクラスの皆に向けて言った言葉でした。『お前たち、千恵〔=著者〕はIQが低いんだぞ。こんなにIQが低い千恵がいい点数取ってるのに、それに比べてお前らはなんだ!』
 この言葉がきっかけとなり、以来、私はずっとくすぶり続けていたのです。
 〔……〕
 『私はIQが低いから、人一倍努力しよう!』
と思って、前向きな気分になれる日もあれば、
 『私が何をやってもうまくいかないのは、IQが低いせいなんだ』
 『こんなに頑張っても、どうせIQが低いんだから、もうやっても無駄』
と何でもIQにこじつけ、できない自分を甘やかす日もありました。
 そうやって腐っていく自分が嫌で、さらに落ち込むことの繰り返し。そんな日常から脱却したかったのでしょう。自分は『やればできる人間なんだ!』と思いたいという一心で、一流といわれる大学を目指したのかもしれません。
 しかし、見事に挫折。私の『朝4時起き物語』は、そこから始まったのです」(pp. 64-65)。


 本筋とはずれる感想になるが……。

 先生の言葉は、生徒の心の深いところに簡単に届いてしまうものなのだ、それがほめる言葉であっても、たとえ貶す言葉であっても。

 先生は十分気を付けて言葉を使わなければならない。


@研究室

by no828 | 2009-08-22 20:35 | 人+本=体


<< 萬國のカエル團結せよ!——アン...      18時30分ですでに暗いことに... >>