133(593)三上延『ビブリア古書堂の事件手帖3——栞子さんと消えない絆』アスキー・メディアワークス(メディアワークス文庫)、2012年。
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古本で少し安くなっていたので購入しました。古書に関係した「事件」が展開します。第1作(
●)、第2作(
●)を踏まえた展開です。著者は、第1作を書くときこれをシリーズ化しようと思ったのか、あるいは何作目かまでのシリーズ化の流れをある程度まで想定したうえで第1作を書きはじめたのか、とどちらかなと思いました。
さらっと読めます。逆に言えば、読み手——少なくともわたし——に引っかかる言葉が出てこないということでもあります。
俺は仕事を中断して、文庫のコーナーの前に行った。普段大人しい客が文句を言ったら注意しな——長年食堂を経営していた祖母の教えだ。よっぽど腹に据えかねたってことだからね。(22)
研究上の議論にもあてはまる側面が大きいかなと思いました。とりあえず発言する人とそうでない人とがいます。後者の場合、発言しないといけない、発言せざるをえない、という身体的な反応からなされることがあると思います。それは必ずしも「腹に据えかねた」場合に限られないかもしれませんが、その発言にはそれ相当のことが込められているように思います。逆に言えば、そういうことがない場合には発言しないという人もいると思います。
@研究室