鯨統一郎『新・世界の七不思議』東京創元社(創元推理文庫)、2005年。67(722)
版元 →
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『邪馬台国はどこですか?』(→
●)の続編。ただし、三谷教授は登場しません。代わりに、来日中のペンシルベニア大学古代史教授ジョゼフ・ハートマンが登場します。舞台は変わらずに、松永がバーテンダーのバー「スリーバレー」であります。このバーのオーナーは、もしかしたら三谷教授かもしれません。
前作が日本の「不思議」を扱ったものだとすれば、今回は海外の「不思議」を扱ったものとなります。アトランティス大陸、ストーンヘンジ、ピラミッド、ノアの方舟、始皇帝、ナスカの地上絵、モアイ像。
始皇帝の墓には、DとPとの中国2週間寝台列車卒業旅行のさいに寄ったことがあります。兵馬俑も見ました。当該章を読みながら、そのときのことを思い出しました。
「まあ、初めはそういう説を信じていたんです」
「やっぱり」
「でもそんなことを言ったらまた早乙女さんに笑われると思って」
「ちょっと。人に笑われようがバカにされようが、自分の信じる説を枉〔ま〕げちゃダメよ」
「は、はい」
ジョゼフは静香の言葉に感銘を受けた。さすがに気鋭の歴史学者だ。
「あたし、どんなに人が自分とちがう意見を言ったとしても、その人を罵倒したりはしないわよ」
ジョゼフは今度は考えこんだ。(「ピラミッドの不思議」129-30)
@福島